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    生まれたときのことをはなしたいけど、うまくはなせない。
    生ま…たしかに、だれもきいてない。きいてるのは、木とか
    草とか土とか、水蒸気とか、窒素とか、酸素とかだけ、だけど
    生まれたとき、息をしてなかったからって、なんだ。

    どっかに、ほんとに話したいことが隠れてるはずだとおもう。
    いったい…ぼくの脳みそは、ほんとにのろまだ。
    どんだけのろまだと嫌になる。これじゃ腐りかけの肉塊だ。
    生まれたときぼくが息をしてなかったって話をしてたときの母さんは、
    なにを言いたかったかのかを考えると、苦労話だった。
    父さんに見放されて、一人で病院に産みに行った子供が酷い難産で、
    散々、長時間苦しんだあげくに、出てきたら息をしてなかった。
    ”あたしがどんだけ、あんたを産むのに、迷ったり、決心したり、
    したとおもってる?なんで息をしないの?”
    って、そうおもったみたいだ。
    おれは母さんにそういうおもいをさせて生まれてきたんだ。
    別に、わざと胎盤をのどに詰まらせようとしたわけじゃないけど。
    ただ勝手にそうなって、出てきたら息ができなくなってた。
    そうだな、特別だ。特殊だ、おまえは。だからなんだ。そういう自慢がしたいのかって自分が自分に言うけどそれともちがう
    せっかく息を吹き返したけど、母さんの望む形には育たなかった。そういう自分に失望してるとか…なかなか近いけど、
    そんなにきれいな話でもない。

    いろんな母親が、子供を産んだときの話をした。
    彼女たちはまるで我が子が生まれたことを、人生最大の喜びのようにおもいだしながら話してた。
    母さんは…まるでそうじゃなかった。
    全然、ハッピーなできごとなんかじゃなかった、というように、苦しそうに、思い出話をした。
    きっと他に、大事な、重要なことがあったんだろう。そんな気がする。

    息を吹き返したから、生きなくちゃならないって感じで生きた。
    あのとき息が止まったままだったら、母さんを安心させてあげられただろう。
    こんな大変なものを、
    背負わなくて済んだ。そんな気が、ずっとする。
    生まれて来るべきじゃなかった、とかそういう、自分がでかい存在になる話じゃない。
    おれは喜びと一緒には生まれてこなかったという話がしたかった。
    苦しみと、嫌な気持ちと一緒に生まれてきたという話。
    トイレのうんこみたいに、爽快感を与えるわけでもなく。

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